記録的な円安によりアメリカの物価上昇が報じられているが、今同じようなことがシンガポールでも起きている。
筆者はコロナ前から同国を訪問してきたのだが、物価上昇は行くたびに深刻さを増している。
今旅行すると幾らかかるのか。今回は見てきたままをお伝えしたい。
おにぎり1個440円。もはやコンビニは利用できない
まずセブンイレブンを中心とするコンビニの価格は総じてやばい。1シンガポールドル=110円で計算した場合、おにぎりは1個440円。
日本のコンビニでも200円のおにぎりは増えてきたが、ここでは単純計算で2倍といった感覚だ。
そしてペットボトルの飲み物も異常。500mlの飲料水は基本的に3ドル(330)円で、これまた日本のコンビニの2倍。
缶コーヒーなら2.5ドル(275円)だが、やはり日本なら半分くらいで買える物ばかりだ。
コンビニ内で唯一買いやすいと思ったのは菓子類で2ドル(220円)前後。他は贅沢品の部類であり、とても気軽には利用できない。
ちなみに2022年に訪問した際、おにぎりはまだ280円(当時1ドル97円)くらいだった。1年半でここまでの上昇は予想外である。
スターバックスは贅沢品
続いてスターバックスは日本のShortサイズが存在せず、中間のTallサイズがもっとも安い。
最低価格は6ドル(660円)で、筆者が頼んだアイスラテは6.6ドル(726)円。日本の490円がいかに良心的かわかるだろう。
また食べ物に目を向けるとケーキが7ドル(770円)、クロワッサンが4ドル(440円)。
飲み物とセットで1,000円超えは必至で、ドバイやロンドンと並ぶ水準になった。
大衆食堂も高騰する
シンガポールには「ホーカー」という大衆食堂があり、レストランよりも割安な食事ができる。
ただしコロナ前に比べると明らかに高く、円安もあって1食600~700円を超えるケースも少なくない。
今回頂いたチキンライスは6.8ドル(748)円で、タイと比べてほぼ2倍であることがわかった。
ここまで高騰するとスーパーで食材を買い、自炊する他ないのではないだろうか。また店舗を構えた個人経営のお店はもっと深刻だ。
ふらっと入ったお店で、パスタとスプライトを頼んだら全部で19ドル(2100円)。正直クオリティは良くなかった。
日本なら1,200円でも高いと言われそうだが、個人経営のお店でこのレベル。ちゃんとしたレストランでは青天井になりそうだ。
ホテルは素泊まり1万5,000円
そして最も深刻なのがホテルだ。15平米の狭い一人部屋が1泊15,000円は当たり前で、2万円でもいい部屋には泊まれない。
今回はたまたまマリオットポイントで1泊25,000円程度のホテルに宿泊したのだが、それでも20平米以下の部屋だ。
現在、シンガポールには中国、香港、ロシアからの移民が急増しており、宿泊施設やコンドミニアムの価格が急騰している。
旅行者はその影響をもろに受けてしまい、長期の滞在は経済的に余力がないと難しそうだ。
もはや円安だけの問題ではない
というわけでシンガポールは気軽に遊びにいける国ではなくなってしまった。
そしてもはや円安だけの問題ではない。仮に1ドル80円まで円高が進んだとしても、4ドルのおにぎりは320円。
6.6ドルのアイスラテは528円であり、やはり総じて日本より物価は高い。
日本も物価上昇が続き、それを上回る賃上げや金利の上昇が起こらなければ東南アジア諸国に追いつかれ、追い抜かれるかもしれない。
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