筆者は2022年、タイのバンコクに引っ越した。
ようやく生活にも慣れてきて、バンコクのスワンナプーム空港に降り立つと実家のような安心感すら覚えるほど。
タイは親日的で治安もよく、人気の海外移住先として注目されつつある。欧米、ドバイ、シンガポールに比べて物価も安い。
では実際に生活すると幾らかかるのか。今回は筆者のケースとして生活費を公開しながらタイ移住のメリット・デメリットをご紹介したい。
30階タワマンの家賃が7万円台
結論から書くと、タイの物価はもはや決して安くはない。ただし家賃は中心部でも割安で、日本でいうタワマンに気軽に住める。
筆者が住むコンドミニアム(分譲マンション)は35平米で家賃19000バーツ(77,900円)。
ジム、プール、サウナ、コンビニ、カフェ併設で、24時間の警備体制でセキュリティも万全。
部屋は30階の35平米で、家具は備え付け。地下鉄まで徒歩3分、空港快速まで徒歩1分と好立地で日本では考えられない。
共有スペースにはミーティングルームや自販機もあって、のんびり暮らしたい人には夢のような環境かもしれない。
中心部を少し離れれば同じような条件で3万円台もあるし、プールやジムのないアパートを選んで節約という手段もある。
このように大都会の中心に格安で住めるのがバンコクで、まだまだ夢があると言えるだろう。
ただしファミリータイプの物件は供給量が少ないため、子供連れ3~4人世帯では家賃が跳ね上がるのがデメリット。
筆者の住んでいる物件でも2ベッドルームは12~15万円で、便利な中心部だと東京と大差なくなってしまう。
もちろん郊外ならファミリー向け物件でも5~10万円の物件は普通にあるので、日本人向けに紹介される物件サイトが全てではないと覚えておきたい。
食費は自炊なしで3万円あればOK
続いて食費をみていこう。バンコクの街は屋台やフードコートでとにかく溢れており、自炊文化がないとも言われている。
1食200~350円で十分な食事ができるので、1日1,000円以下で過ごすのも余裕だ。
配送料が激安のフードデリバリーも発達しており、夕食時のコンドミニアムは配達員と食べ物で溢れている。
屋台、フードコード、デリバリーとローテーションすれば色んな料理を楽しみながら食費は3万円に収まるはずだ。
タイは日本食天国
タイ料理に飽きたら日本食を楽しもう。バンコクには数多くの日本食チェーンが進出していて、日本と同変わらない食生活ができる。
切りがないので写真は割愛するが、やよい軒、カツヤ、CoCo壱番屋、ペッパーランチ、焼肉ライク、一風堂、ミスタードーナツ、銀だこ、まいせん、8番らーめん等、実に色んな日本食が揃っている。
さらに至るところにローソンが進出していて、日本語の商品やおでんも並ぶ。
欲しかった日用品が無ければ、ダイソーに行くことでほぼ解決。ここは本当に何でもある。
ダイソーに行っても欲しい物が揃わない。そんな時は大御所「ドン・キホーテ」がバンコクに何店舗もあるので安心だ(笑)
このようにタイは世界でも稀にみる親日国。食費を安く抑えながら、祖国の味が気軽に楽しめるのが大きなメリット。
もちろんデメリットもある。タイは水道水が飲めないため、飲食店では10~20バーツ(42~84円)取られるし、日本食は総じて割高。
スターバックスやバーガーキングといった米国チェーン店は日本より高いので、何でも安く買えるわけではない。
したがってタイ料理を中心にすれば食費は3万円に収まるが、カフェで仕事したりたまの贅沢を考慮すると筆者の場合4万円前後。
こうやってみると、タイで月5万円生活は都市伝説並みに難しいことがわかってくる。
バスはどこまで乗っても32円
続いて交通費を見ていこう。タイには昔ながらの国営バスが走っていて、どこまで乗っても一律8バーツ。
乗車すると車掌さんがお金を回収しにくる仕組みで、窓がないのも特徴的。基本的にこれがあれば交通費を節約できる。
地下鉄(MRT)、モノレール(BTS)昔ながらの国鉄、船など色んな交通手段が揃っている。
そして何気に超便利なのがバイクタクシーだ。Grabアプリでタクシーを呼ぶと2km前後を約160円で移動可能。
このように、長距離の移動も安いのがバンコク。しかしここでもデメリットはあって、交通渋滞がすこぶる酷い。
通勤ラッシュ時は1km進むのに20分かかることもあるので、大事な待ち合わせはタクシーを使わないのが無難。
筆者の場合、タクシーはまったく乗らないので交通費は月8,000円に収まっている。
単身なら月15万円で生活できる
この他、インターネット2,500円、携帯電話2,500円、光熱費3,000円、家事代行5,000円、消耗品5,000円が発生している。
家賃7万7,900円、食費4万円、交通費8,000円を合わせるとタイ生活の生活費は1ヶ月14万5,000円で余裕の生活ができる。
もし家賃を3万円以上抑えれば、それだけ節約の必要がなくなるし、慣れてきた2年目、3年目となれば貯金にも回せるだろう。
タイは一昔言われたような物価の安い国ではなくなった。しかし、この超円安時代に現実的な価格で暮らせるのも事実。
今の暮らしと比べて安くなりそうだろうか。また機会を改めてタイ移住のメリット・デメリット等をご紹介していきたい。
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