第二次安倍政権が発足した2012年から約3年間、日本経済が大きく変わったのを覚えているだろうか。
為替は1ドル75円から123円まで円安が進み、日経平均株価は右肩上がり。消費税5%→8%になったことで強烈な物価上昇が起きた。

きっかけはアベノミクスである。円安誘導で輸出企業を儲けさせ、大企業を中心とした賃上げが起これば消費は活性化する。それはデフレからの脱却になるというのだ。
しかし結果はご存知の通り、全国的な賃上げには繋がらなかった。それどころか、急に物価が上がって家計が苦しかった人も多いのではないだろうか。
「アベノミクスが現在の日本経済にどのような影響を与えたか」については経済の専門家が議論する分野だろう。では私たち一般消費者が学ぶべきことは何か。
それは「投資家だけが利益を得た」という事実、さらに「これからも同じことが起こり得る」ということだ。
アベノミクスはどれだけ儲かったのか
では、どれだけ利益を上げることができただろうか。2012年当時に100万円投資していたケースをいくつか想定してみたい。
まずは東日本大震災後、1ドル75円のときに100万円分のドルを購入していた場合、手元には13,333ドル(100万円÷75円)がある。

1ドル123円にまで下落した3年後の2015年、米ドルの価値は164万円(13,333×123円)にまで膨れ上がったのだ。しかもこれはあくまで為替の話。
この期間に米国「S&P500」指数を米ドルで購入していた人は約62%のリターンを得ることができた。

つまり100万円の資産がわずか3年間で265万円になったのである。
国内株式を買っていた人も大きな利益を上げている。日経平均は2012年初頭8,400円から2015年末までに19,000円まで上昇。波に乗れた人は資産が2倍を超えたはずだ。
このように多くの人が賃上げを求めて苦しんでいた最中、アベノミクス相場で投資をしていた人は物価上昇も怖くないボーナスを得られたのである。
強烈な後悔
筆者はこの話をだいぶ後になって知った。そして何も知らないことに対する情けなさと後悔の念に包まれた。
株価上昇のニュースをリアルタイムで見ていた時は「企業業績が好調ならきっと景気が良くなる」と信じていたし、日本全体が良くなると思っていた。
しかし実際には輸入物価の上昇によって生活が苦しくなっただけ。銀行預金残高は利息が増えるどころか、当時のインフレで資産が目減りしただけである。

仮に100歩譲って知識があったとしても、当時の預金残高では投資によるリターンなど得られず、資産を増やす絶好のチャンスに1mmも乗ることができなかった。
このことが筆者に火をつけた。「いつかきっと、また同じことが起きるかもしれない。その時に備えてお金を貯めるのだ。投資の知識を身につけて、二度と同じことを繰り返してはならない」と。
これからも投資家は大きな利益を得る
そして2022年、本当に同じことが起きた。1ドル110円前後の為替レートが151円まで下落。
翌年には日経平均株価が上がり始め、2025年8月までに64%上昇している。アベノミクス当時はマイナーだった仮想通貨投資も盛んで、投資家はより一層の資産を増やしている。

私も今回はこの波にうまく乗ることができた。皆さまはどうだろうか。
ここで話を戻そう。アベノミクスから学ぶべきことは「インフレが起きたら現金の価値が減る」ということ。それは現物の価値、すなわち「株」「金」「不動産」といった物の値段が上がることであり、例え給料が上がったとしても避けられない事態だ。
高度経済成長期の日本のように、インフレ率を上回る銀行預金金利があれば何も問題ない。しかし今の日本は政策金利が1%未満。賃金上昇が物価上昇率に追いつかないのである。
だから投資をしない限り資産は容赦なく目減りする。100万円で買えたものが来年には103万円、再来年には106万円と上がっていく。しかも昨今の物価上昇は米が2倍になるなどアベノミクスの比ではない。
今から備えないと大変なことになる。決して投資商品の購入を煽る物ではないが、何か大事なことを考えるきっかけになればと思う。
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